柴田淑彦さんが最も気に入っている五重塔。割り箸を使って1年かけて組み上げた労作=29日、福井県敦賀市

 福井県敦賀市の柴田淑彦さん(79)が割り箸やつまようじなどの材料を使って全国各地の天守閣や寺院の模型作りに取り組んでいる。飲食店を営んでいた柴田さんが捨てられる割り箸のリサイクルの一環として始めた趣味。現地に足を運んで完成させた労作もある。地元の文化祭などで発表し、精巧で迫力ある作品が住民を楽しませている。

 割り箸の模型作りを始めたのは12年ほど前。自身が営む飲食店で、毎日大量に捨てられる使用済みの割り箸を有効利用しようと始めた。

 これまでの作品で一番のお気に入りは高さ1メートルほどある五重塔。さまざまな長さに切った割り箸や角材を接着剤でつなぎ合わせ丁寧に組み上げ、完成までに1年近くかかった大作だ。各層にある扉は開け閉めができるようにとこだわりをみせた。

 丸岡城をはじめ安土城、彦根城といった全国の名城や、平等院鳳凰堂などの寺院をかたどった作品もずらり。建物の構造が描かれたイラスト集を参考にして作っている。現存しない安土城の天守閣は滋賀県の資料館まで出向き、復元された天守閣の模型を参考にした。

 これまで作った作品は30~40点ほどというが正確な数は覚えておらず、柴田さんは「完成する度に作品を欲しがる友人たちに譲っているので」と少し誇らしげ。自宅には15点が飾られている。

 5年ほど前に飲食店をやめて以降、割り箸を確保することが難しくなったことから、今年からは安価なつまようじを使って工作に励んでいる。現在は丸岡城に挑戦し、「割り箸に比べてさらに繊細に作業する必要がある。とても苦労しています」と話す。

 完成した作品は地元の文化祭や各種作品展に出品する。周囲からは「次はどんなものを作るのか楽しみ」と声を掛けられるという。柴田さんは「たくさんの人に期待されると励みになる。元気なうちはこれからも作り続けたい」と意気込む。

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