「部活問題対策プロジェクト」のホームページに目を通す吉野慶太教諭(仮名)=1月

 過度な部活動指導に起因する教員の長時間労働が問題となり、「ブラック部活」という言葉も生まれている。スポーツ庁は1月、中学校の部活について、学期中は週2日以上を休養とするなどのガイドラインの骨子案を示した。「膨大な時間外活動、休日返上など部活問題を解決すれば、過労死ラインを越える教師の働き方は変わる」―。現場からは切実な声が聞こえてくる。

 中部地方の公立校に勤務し、会員制交流サイト(SNS)で部活問題を発信している30代の吉野慶太教諭(仮名)は、以前勤めていた中学校で運動部の顧問を任された。学生時代に競技経験があり、2010年の赴任当初は「全国チャンピオンを出そう」と意気込んでいた。平日は午前6時半から7時45分まで朝練、放課後は午後6時半まで校内で練習し、7時からは校外の施設を借りて約1時間半の練習に毎日付き添った。土日は練習試合などで県外遠征し、自身の休みは2、3カ月に1日程度。「部活中毒でしたね」と振り返る。

 地区レベルの大会は毎年優秀な成績を収め、全国大会にも1回進んだが、5年ほど続けたころ、違和感が募り始めた。「部活が子どもの成長によい影響があることは分かるが、教員の負担が大きすぎる。疲れ切って、優先すべき授業準備や教材研究ができないのは本末転倒」。自身に子どもが生まれ、子育ての時間が取れないことも悩みだった。

 15年から「ゆとり部活」を掲げ「土日と平日1日は完全休み」にした。練習スタイルも勝つためから、生徒たちに話し合わせる形に変えた。活動日は減ったが、大会での成績はこれまでと遜色はなかった。

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