県内の商業炉の現況

 福井県は17日、関西電力高浜原発3号機(加圧水型軽水炉、出力87万キロワット)が20日深夜に定期検査に入ると正式に連絡を受けた。21日未明に停止する。県内の商業用原発は関電の11基、日本原電の2基の計13基が全て止まるという前例のない状況を迎える。(伊豆倉知)

 国内の原発で稼働しているのは、北海道電力泊3号機と東京電力柏崎刈羽6号機だけとなる。この2基も4月末までに定検に入り、廃炉が決まっている東電福島第1原発1~4号機を含めて国内の全54基が停止する。

 研究炉を含め県内の原発が「15基体制」になって以降、全停止は初めて。現時点で再稼働の見通しは立っておらず、原子力が電源構成の5割を占める関電管内の電力需給は一層厳しさを増す。

 停止中の原発の再稼働をめぐり国は関電大飯3、4号機のストレステスト(安全評価)の審査手続きを進め、現在は原子力安全委員会による二重チェックが行われている。ただ、福井県やおおい町は福島の知見を反映した暫定的な安全基準の提示が必要との姿勢を崩しておらず、国がどのような形で安全基準を示すのかを注視している。

 県原子力安全対策課によると、高浜3号機は20日夕から出力降下を始め、同日深夜に発電を止め、21日未明に原子炉を停止する。

 定検期間は1カ月間の調整運転を含め4カ月の予定。2次系配管1222カ所で肉厚測定を行うほか、測定が困難な118カ所を耐食性に優れたステンレス鋼製などに取り換える。福島の事故を踏まえた特別点検では、緊急炉心冷却装置(ECCS)や緊急時に原子炉格納容器内に水を注ぐスプレーリングの健全性などを確認する。

 燃料集合体157体のうち73体(うち56体は新燃料集合体)を交換する。8体のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を再装荷するかは未定。関電は「国の原子力政策の検討状況などを見据えながら総合的に判断する」としている。

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