佐藤さん(仮名)の個別の支援計画シート。理解不足による指導内容や誤字に母親は不信感を募らせた

 体の発したSOS。「悩んだけど義務教育にこだわるよりも命のほうが大事」(幸子さん)。6年生になって学校に行かなくなると、じんましんの発症は劇的に減った。

 莉菜さんは勉強の代わりに、動物の絵を描くことに没頭した。描き始めて3カ月後の公募展で大賞受賞。審査した画家から「すごく才能がある」と手紙をもらった。作品をネットで公開すると外国人から「天才だね」とコメントが来た。スマートフォンケースとTシャツの商品化も決まった。幸子さんは「楽しくなってきたんでしょうね。学校で褒められることがなかったから」。莉菜さんは今、犬猫の殺処分ゼロを訴える絵本を描こうと、保健所の見学に行くほど行動的だ。

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 県教育委員会によると、発達障害などで通常学級に在籍しながら、必要に応じて個別指導を受ける「通級指導」対象の小中生は6万3497人のうち519人(2017年度)。ほかにも小学校を中心に「気がかりな子」がいる。

 ある教師は「苦手なことを頑張ってやり遂げたとき、褒めてあげるとすごく伸びる」こともあって発達障害の可能性を指摘できないことがあると打ち明ける。別の教師は保護者に診断を促すと「自分の子どもに障害の可能性があると言われた気持ちは分かるのか」と責められたという。

 理解が不足したり、対応が遅れたりして苦しむ子ども。駿さんは卒業から半年以上たってぽつりと漏らしたという。「僕、死ねば分かってもらえたのかな」

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