小型タンクローリーで灯油の配達に回る栄月の社員=31日、福井市内

 灯油の価格が上がり続け、強い寒波に見舞われた福井県内の家計を圧迫している。1月31日発表された最新の店頭小売価格は18リットル1587円で、昨年9月に比べ260円値上がりした。産油国の減産などにより原油価格が上昇しているためで、高値がいつまで続くのか見通せない。一方で販売事業者は暖房需要が高まる中、安定供給の対策に追われている。

 ■買わないわけには…

 「いくつかのガソリンスタンドなどに問い合わせて、安く購入できるところを探した」。30日に灯油販売所で18リットル分を購入した福井市の男性(69)は、うんざり顔で話した。家庭には灯油を使うストーブと電気による暖房があり「(灯油の)価格の推移に気を配り、どっちが安いかを見極めていくしかない」。

 31日に購入に来た同市の女性(65)も「灯油のファンヒーターとストーブで暖をとっているので、買わないわけにはいかない」と漏らす。暖房器具の使用は一つにしたいと思うものの、相次ぐ寒波で厳しい寒さが続き「体調を崩さないよう両方とも使う日が多い。一日も早く値段が下がってほしい」と切実だ。

 ■業者も厳しい

 経済産業省資源エネルギー庁の31日の発表によると、29日時点の県内の灯油18リットル(一般的なタンク1個分)の店頭小売平均価格(税込み)は1587円で、4週連続上昇した。2015年8月以来、2年半ぶりの高水準となっている。17年9月中旬は1327円だったが、じわじわ上がり続け、11月中旬には1500円を突破した。

 価格調査した石油情報センターによると、石油輸出国機構(OPEC)などによる協調減産で原油の供給量が減り、価格が上昇しているのが要因だ。

 原油価格が上がれば、販売事業者が元売り会社から灯油を仕入れる卸値も上がる。だが上昇分を全て小売値に転嫁するのは、顧客への配慮から難しいようだ。

 栄月(福井市大手2丁目)の織田高広・石油事業部長によると、卸値は昨年10月からの約4カ月間で、1リットル当たり税込み約18円上がった。だが小売値は約15円の値上げにとどめており「お客さまも厳しいでしょうが、私たちも厳しい」と苦しい胸の内を話す。

 ■配達も一苦労

 灯油の安定的な供給へ、調達でも苦労がある。タンクローリーの運転手不足や積雪による渋滞のため、元売り会社から製品が届くのが遅れるケースが出てきているという。こうした場合、県内12の直営スタンドを持つ栄月は店舗間の融通などでしのいでおり、本社の管理職も現場に出て対応に当たっている。

 小型タンクローリーによる民家などへの配達も、降雪が続くこの冬は依頼が増えているという。雪道でスムーズに届けられないときもあり、織田部長は「余裕を持って早めに注文していただけるとありがたい」と話している。

 今後の見通しについて石油情報センターは「協調減産に参加していない米国がシェールオイルを増産するとの予測もあり、増産されれば原油価格も落ち着いてくる」としている。

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