福井県高浜町立高浜小の職員室に設置されているタイムカードの機器。導入後、教員の働き方の意識が変わってきている

 「学校で見ているとね、先生に向いているな、先生になってほしいな、と思う生徒に出会うんですよ」。50代の男性高校教師がこぼす。「でも今の現場の難しさを考えると『先生を目指してみないか』とは言えない」。頼もしい“後輩”になるかもしれない生徒への思いは胸にしまい込んでいる。

 福井県教委が2016年度に行った調査で、休憩1時間を除く平均勤務時間は中学校が最長の11時間22分、小学校は10時間28分、高校は10時間7分、特別支援学校は9時間18分だった。17年度の調査では、休日の部活動指導などで1カ月の超過勤務が218時間に上った県立高の教員がいた。

 18年度に小学校、19年度に中学校で道徳が「特別な教科」となり、県内では小学校の英語教育も18年度から先行導入される。次期学習指導要領への対応も必要で教員の負担は増すばかりだ。昨年の12月県議会で東村健治県教育長は「(教員から)生徒に向き合う時間が取れないと聞いている」と認めた。

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 福井市内の中学校に勤めるベテラン女性教諭は、毎朝7時半ごろ出勤する。朝礼が始まるまでの20~30分だけが「自分のやりたいことができる、ちょっとほっとできる時間」。授業がない時間も、教材研究や生徒に配るプリント作りであっという間にすぎる。他の生徒が部活動中、1人になりがちな子どもがいると、話し相手になりながら下校時間を待つ。その後、自分の仕事を再開し、気が付くと午後8時をすぎている。

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