丁寧に手作りされる「越前菅笠」=29日、福井市三留町

 福井県の郷土工芸品に指定されている福井市清水東地区の特産「越前菅笠(すげがさ)」が製作のピークを迎えている。窓の外に雪がちらつく中、職人は冬仕事として一つ一つ丁寧に仕上げている。雨よけや日よけが本来の使い方だが、最近はインテリアとして飾られることもあるという。

 職人歴80年以上という同市の斉藤ササヲさん(91)は今月中旬から作業を始めた。29日には円すい形の「角笠(つのがさ)」や、頂部に突起のある女性用の「市女笠(いちめがさ)」などを製作。笠骨(かさぼね)に沿ってスゲを丁寧に編んでいった。

 スゲが乾いて折れないよう、湿気の多い冬にしか作れないという。かつては農閑期に行う仕事として県内各地で作られていたが、現在、伝統の技を守り続けているのは同地区のみ。数人いる職人がひと冬に約200個をすべて手作りしている。

 「雪を見ながら作るのは風情があって楽しい」と針を進める斉藤さん。熟練の技が光っていた。

 
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