保護者や生徒とどう向き合うべきか、クラスを預かる教師たちは戸惑っている=福井県内の中学校の教室(記事中の学校とは関係ありません)

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 「問題を抱えた生徒1人をなんとかしようとすると、クラス全体を見ることはできない」

 福井県内の40代教師は言う。目標だった中学校教師になって20年余り。クラス担任以外に、校務では主に生徒指導を任されてきた。

 新人のころは、指導のやり方が分からず、生徒の心をつかんでいそうな先輩をまねた。あえて生徒を怒鳴るような指導を取り入れたときは「あっという間に生徒が離れていった」という苦い経験もした。

 学校を何度か移り、失敗したり、うまくいったりを繰り返し、自分なりに生徒と向き合うスタイルができた。

 何人か問題を抱える生徒に出会った。授業の途中で教室を抜け出し喫煙する。他校の生徒にけんかを売る。そのたびに生徒を追いかけ、授業は「自習」。警察からの連絡に応じたり、けんかの相手先との話し合いに出向いたり、保護者と面談したり。「1人に向き合うだけで相当の時間とエネルギーがいる」

 保護者が頼りにする「担任の先生」だが、さまざまな考え方、個性を持つ30人の子どもの“全て”を受け持つのは困難、というのが20年の経験を経た今の正直な思いだ。

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