生徒の自死をきっかけに指導の在り方や子どもとの接し方が変わったという青木俊也教諭(左)と小南誠教諭=1月8日、兵庫県

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 青木教諭は当初、指導方法を変えることが本当に必要か半信半疑だった。ただ、裕美さんの訴えに耳を傾けるうち、考えは変わっていった。健司さんが亡くなってから4年。「僕の中で日々健司君の存在が大きくなっていくのを感じます」と裕美さんに語った。

 生徒一人一人の内面をより大切にするようになり、「しっかり反省しなさい。でも今まで頑張ってきたことは大事にするんやで」と必ず声を掛けた。今までの成長があってのこれから。指導で全てを崩す必要は何もないと考えた。

 その後に移った定時制高校。ある生徒が深夜、「もう生きるのしんどい」とメールを送ってきた。父親は蒸発、母親は心の病を抱え、友達関係もうまくいっていなかった。すぐに車を1時間飛ばして家に向かい、無事でいるのを見たとき、涙があふれた。「良かったなあ」。生徒も泣いていた。健司さんのことがなければ、危機感は薄かったかもしれないという。

 「100人に1人、その指導がしんどいと思う生徒がいるかもしれない。99人まではよくて100人目は駄目という可能性。ふっとその違いに気付くかどうか」と小南教諭は話す。問題行動には理由や背景が必ずあり、それが何かを理解できなければ教師の言葉は生徒の心に届かない―。「生徒がつらいとき、教師の顔が浮かぶ関係をつくれたら、問題が起こる前に解決できる」と信じている。

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