善性寺の住職になった山田靖也さん=12日、福井県越前町宿

 後継者がおらず存続の危機に立たされていた福井県越前町宿の善性寺の住職に、福井市に移住した名古屋市出身の山田靖也(法名黙鐔)さん(38)が就いた。住職の職分に自らの生き方を見いだし決心。過疎化が進む集落の盛り上げにも積極的で、門徒の信頼を集めている。

 山田さんは都内の大学を卒業後、新聞社に勤務したが、「人生このままでいいのか」と25歳で退職。四国遍路やカナダに1年間滞在するなど自分探しの旅に出た。その中で野菜栽培に魅力を感じ、知り合いに紹介された福井市の農家を頼って2006年に移住。海外を転々としながら自然農法を学び、14年に同市八ツ俣町に古民家レストラン兼ゲストハウス「いただき繕 福井越廼店」をオープンさせた。

 僧侶になるきっかけは3年前、福井市赤坂町の光照寺で法事に参加したとき。住職らが中心となって寸劇やファッションショーなどが催されており、堅苦しい僧侶のイメージは一変した。「自分が喜んでやることを他人の喜びにつなげられる生き方が僧侶なら可能だと思った」。法話をしに訪れていた報恩寺(福井県鯖江市)の林暁住職に教えを請い、16年に得度した。

 昨年4月、林住職を通じて善性寺の住職を継がないかと打診を受けた。同寺は約430年の歴史を持つが、前住職が高齢でお勤めを続けることが困難だったことから廃寺の危機にあった。山田さんは自身の店の運営との掛け持ちに不安もあったが、住職としての生き方の魅力が勝った。

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