表装に使う古糊の仕込みに精を出す表具師=22日、福井市中央2丁目の向陽堂

 掛け軸などの表装や修復に使う古糊(ふるのり)の仕込み作業「糊炊き」が22日、福井市中央2丁目の表具店「向陽堂」で行われた。そろいの作務衣(さむえ)に身を包んだ表具師の親子が、同店で100年以上続く伝統の作業に取り組んだ。

 明治末期創業の同店では毎年、大寒の2日後に行っている。2代目店主の向久秀さん(81)と3代目の章秀さん(48)が午前8時ごろから作業を開始。小麦のでんぷんと精製水を釜に入れ、加熱しながら混ぜ合わせる。20分ほどで粘度が増し、混ぜる章秀さんの手は次第に力が入り、息づかいは荒くなる。十分に混ぜ合わせるため、1回当たりの仕込みは2~3リットル。この作業を8回繰り返し、約20リットルの糊を作った。

 仕込んだ糊は10年以上、冷暗所で熟成させ使用する。ひび割れしにくい上、水で簡単にはがせるため、掛け軸や絵の修復に欠かせないという。章秀さんは「古糊で作った掛け軸などは品質が200年保たれるといわれる。手間はかかっても、化学糊では代用できないんです」と話していた。

 
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