クラウド型在宅療養情報共有システムのイメージ

 在宅療養を担う訪問看護師や訪問介護士がサポート記録をサーバー上に蓄積し、診療所や病院などとデータを共有する「クラウド型在宅療養情報共有システム」の開発に、福井大医学部の研究チーム(代表=山村修・地域医療推進講座講師)が取り組んでいる。デモンストレーションが20日、福井県看護協会(福井市)で行われ、看護師がタブレット端末やパソコンを使い、意思の疎通を図るシステムを体験した。

 同システムは、在宅療養上の疑問や問題発生時に、訪問看護師、介護士がスマートフォンやパソコンでデータをサーバーに送信。病院の看護師らと情報を共有し、リアルタイムで解決を図る。高速モバイルネットワークを活用、メール、チャット、電話などを組み合わせ、時間と場所に制約されずに活用できる。

 山村講師は「蓄積されるデータに対しては人工知能(AI)で分析、在宅療養での不安の傾向や地域包括ケアの改善点も抽出できる特長がある」と話す。

 総務省の本年度の戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)に採択され、県看護協会や民間2社と協力して2020年の完成を目指す。

 デモンストレーションは県看護協会の講習として行われ、訪問看護師役が在宅療養患者の床擦れの支援策について、病院看護師役と情報を共有。タブレット端末とパソコンを使ってチャットで“会話”し、スムーズに情報交換をこなした。

 超高齢社会を迎え、国は患者が住み慣れた場所で最期まで暮らせるようにする「地域包括ケア」や在宅医療の普及を推進。地域の医療、看護、介護従事者と病院が効率よく在宅患者をサポートする体制が重要になっている。

 開発は今後、情報蓄積システムの構築、AIによる情報分析、効率化の仕組みづくりに取り組む予定。山村講師は「この研究を通じて県内の地域包括ケアの向上に貢献できれば。福井大医学部附属病院を皮切りに県内の総合病院に広めていきたい」と話している。

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