「蓮の体を触れただけでも救われた。帰ってきてくれて良かった」と声を絞り出す田中康雄さん=20日、福井県越前市内

 「一目で蓮と分かった」―。20日朝、福井県警越前署で田中蓮ちゃん(3)の遺体と無言の対面をした祖父康雄さん(54)は苦しい心情を言葉を詰まらせながら語った。

 ⇒父「蓮につらい思いさせた」

 ■康雄さんの話

 うちの蓮だということが一目で分かった。服の上から体をさすらせてもらった。間違いないってのはひしひしと分かりました…。背格好から何から、いつもの蓮だった。

 蓮を褒めてやりたいというか、親孝行なのは、海に出るぎりぎりのところで出てきてくれたこと。このまま見つからなかったら、家族は一生、生きているのか死んでいるのか、どうなっているのか分からないまま。十字架を背負って生きていくところだった。

 あいつ、自分の最後の力を振り絞って、もう海のぎりぎり…川岸に自分ではいずり上がってきたんだと思う。声を出せないから鳥にお願いして自分の居場所を教えて、それで釣り人が来るような時期じゃないのに、たまたま70代の人が見つけてくれて。父さん、母さん、じいちゃん、ばあちゃんの元へ自分の力で戻ってきたんです。残念な結果ですけど、このまま戻ってこなかったらお骨も拾えなかった。

 頭の隅には川かなっていうところがありながらも、かすかな望みで生存しているんじゃないかとみなさんにお願いして、もう何百人、何千人の方が捜していただいた。感謝の言葉しかない。

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