男児の遺体が見つかった九頭竜川左岸河川敷=19日午後4時45分ごろ、福井県坂井市三国町新保上空から日本空撮・小型無人機ドローンで撮影

 19日午前9時50分ごろ、福井県坂井市三国町新保の九頭竜川の左岸河川敷で、身長約100センチの男児の遺体を釣りに来ていた70代男性が見つけ、県警坂井西署に届け出た。同署は、昨年12月9日から行方が分からなくなっている同県越前市の会社員田中了士さん(30)の長男蓮ちゃん(3)の可能性が高いとみて、DNA型鑑定をして身元の特定を急いでいる。早ければ20日にも司法解剖し、死亡時期や死因を調べる。

 「うそであって」「親の気持ちを思うとつらい」。ずっと蓮ちゃんの捜索を見守ってきた失踪現場近くの住民や、蓮ちゃんと同じこども園に通わせている親たちは、言葉を詰まらせながら、子どもの無事を祈った。

 蓮ちゃんが行方不明になった昨年12月9日、現場で血相を変えて子どもを捜す了士さんを見かけたという大久保涼子さん(43)は「うちにも小さい子どもがいる。家族の気持ちを察するとつらい」とうつむいた。失踪後、家の倉庫を何度も捜したという女性(72)は「もし蓮ちゃんなら悲しい。40日も川の中にいたなんて」と声を詰まらせ、40代女性は「うそであって。それだけ」と、祈るように言葉を絞り出した。

 了士さんの自宅がある同市下四目町の区長で、捜索にも協力した田中丈造さん(64)は「うちにも3歳の孫がいて目に入れても痛くないくらいかわいい。(遺体が蓮ちゃんだとしたら)どんなに冷たい思いをしたか」と声を詰まらせ、祖父康雄さんらの近所の60代女性は「近くのお地蔵さんの前で、康雄さん夫妻が蓮ちゃんの無事を祈っている姿を見かけた。自分にも幼い孫がおり、家族の心中を思うと…」と肩を落とした。

 蓮ちゃんが通っていた越前市内のこども園に夕方、娘を迎えにきた30代の母親は目を潤ませ「早く見つかることを願っていたが…。もし蓮ちゃんなら、かわいそうとしかいいようがない」。別の30代の母親も「これだけ長い間手掛かりが見つからなかったので、生きているんじゃないかと希望を持っていた。別人であってほしい」と話した。

 捜し続ける家族の姿を見てきたという60代女性は「言葉がない。でも蓮ちゃんだとすれば、やっと家族と再会できる。寒かったろうけど、見つかって良かったねという気持ちになる」と複雑な胸の内を明かした。

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