松くい虫への抵抗性が認められた2品種のクロマツ=福井県坂井市の同県総合グリーンセンター

 松枯れ被害を減らそうと福井県総合グリーンセンター(同県坂井市)は、松くい虫に強い抵抗性クロマツを開発し、苗木の量産に着手した。2021年に生産者へ種子を供給し、24年に苗木の初出荷を目指す。県木でもある松林の保全、再生が期待される。

 福井県内にはクロマツとアカマツの松林が計約1万5千ヘクタールあり、そのうちクロマツは海岸沿いを中心に約1200ヘクタール広がっている。景観保全に加え、潮害や砂飛散防止の効果がある。

 松くい虫被害は、体長約1ミリのマツノザイセンチュウが健康なマツの枝や幹に入り込み次々と木を枯らすもの。県は本年度、予防や駆除に事業費約8千万円を計上している。

 抵抗性品種の開発は、05年に国立研究開発法人林木育種センター(岡山県)、石川県と共同で着手した。福井県内の被害林から生存しているクロマツ106本を選抜し、種を取って50本ずつ苗木を育てた。生育3、4年目にマツノザイセンチュウを1万匹ずつ人工接種するなどし、23品種が生き残った。

 これらを林木育種センターに送り、再びマツノザイセンチュウを接種し検定。その結果、福井県敦賀市内の海岸沿いで採取した2品種の抵抗性が認められた。昨年2月に2品種の苗木10本ずつがグリーンセンターに移送され、大野市の採種園に植えた。

 種子が実るまで育て、21年に県内の苗木生産者に種子を供給し、24年に苗木4千本の出荷を目指す。グリーンセンターの鈴木昌一所長は「採種園に植えた苗木はちゃんと根付いてくれた。種が取れるまでしっかり育てたい」と話している。

 グリーンセンターは1998年から、クロマツに先行してアカマツの抵抗性品種開発に着手。2006年に4品種の抵抗性が認められた。14~16年度に苗木計3千本を出荷。15年からは越前市の生産者が育苗し、昨年10月に初出荷した。

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