ビオトープの生き物を観察する福井県立福井特別支援学校の生徒ら=2017年9月、福井市の同校

 福井県立福井特別支援学校の生徒が、手付かずだった中庭の池を整え、生き物や水草が観察できる豊かな水辺に変えている。昨年11月にビオトープの出来栄えなどを競う全国大会で入賞。校内で水辺の生き物に触れる機会が増えた生徒たちは「直接生き物を観察できて楽しい。さらに生き物を増やして自慢の場所にしたい」と心を弾ませている。

 同校は小学部から高等部まで66人が通う。肢体不自由や知的障害があり、約9割の生徒が車椅子で学校生活を送っている。「自然の中で遊んだり、水辺の生き物に触れたりする経験が少ない」と感じていた理科主任の青木克祉教諭(52)がビオトープづくりを提案。中学部2年の山田愛莉さん(14)と山崎暁渡さん(14)を中心に一昨年12月、水質調査から始めた。

 藻やコケを取り除いて水を入れ替えた。米のとぎ汁で育てたプランクトンをビオトープに流して水質を改善し昨年5月、校内の水槽で育てていたメダカやドジョウをビオトープへ放った。さらに青木教諭が用水路などで捕まえたヤリタナゴやジュズカケハゼなども仲間に加えた。

 2学期が始まった昨年9月には、さまざまな生き物を観察できる環境が整った。11月には、日本生態系協会(東京)が隔年で開いている「全国学校・園庭ビオトープコンクール」で奨励賞を受賞した。全国180の小中高校などから応募があり、書類と現地審査が行われた。生徒が力を合わせてつくりあげたことや、ビオトープ内の生態系の出来栄えが評価された。

 生き物の放流は小学部の児童らも協力。授業が早めに終わると、ビオトープを見に行くほど、児童生徒たちは夢中で観察しているという。

 山崎さんは「アメンボが住み着いた時はうれしかった」とにっこり。生き生きとビオトープの観察をする生徒を見て、青木教諭は「自然の生き物が生きる場所を見つけていくたくましさを見て、生徒らは学んだことがあるのでは」と目を細める。

 山崎さんと山田さんは「ビオトープを作っている他の小中学校と交流してみたい」「いつかホタルがすみ着くほど、豊かな場所にするのが目標」と、一層のやる気をみせている。

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