「男子たるもの、天下を掃除すべし」などと書かれた、梅田雲浜の直筆の書

 「男子たるもの、天下を掃除すべし」―。元小浜藩士で幕末の尊皇攘夷の志士、梅田雲浜(1815~59年)の直筆の書を、雲浜の玄孫で梅田雲浜資料保存会代表の梅田昌彦さん(73)=奈良市=が入手した。後漢書の一節をベースに力強く滑らかな筆致でしたためてあり、その内容は雲浜が好んで使っていた言葉だという。このほど書を持参して福井県小浜市を訪れた梅田さんは「地元の小浜市民にも見てもらえる機会があれば協力したい」と話した。

 書は縦約130センチ、横約32センチ。漢文で「大丈夫處世應掃除天下豈事一室哉」(男子たるものは、世にあってまさに天下を掃除するべきである。どうして一室をきれいにしてよしとできようか)と書かれている。

 書かれた時期は不明だが、坂本龍馬の有名な言葉「日本をいま一度せんたく(洗濯)いたし申候」と同様、ペリー来航から幕末、明治維新へと体制が転換していくことを目指すような文言。雲浜の書簡などを収めた「梅田雲浜遺稿並伝」(1929年発行)にはこの内容が活字でのみ収録され、小浜市出身の政治家・山口嘉七(1857~1932年)が所蔵していたことは記されていたが、実物の所在は不明だった。

 梅田さんは知人を通じて書の存在を知り、昨年12月に京都市内の書店から購入。雲浜の一番弟子だった行方正言による鑑定書なども併せて入手した。鑑定書には「先生得意の言辞」「先生の気象(気性)の文字」などと記されている。

 全国歴史研究会本部正会員で前小浜市長の村上利夫さん(85)は「雲浜は、龍馬より早い時期から『天下を掃除すべき』と唱えていたのではないか。当時の政治改革運動の先駆者としての側面が分かる貴重な史料だ」と指摘。小浜市は今年秋に、幕末・明治維新150周年を記念した企画展を計画中で、梅田さんは「小浜で展示する機会があれば、ぜひ協力したい」と話している。

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