福井県立病院陽子線がん治療センターの治療装置=福井市

 厚生労働省の診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会(医技評)が15日、東京都内で開かれ、先進医療として実施しているがんの粒子線(陽子線、重粒子線)治療のうち前立腺がんなどに対する治療を「診療報酬改定で対応する優先度が高い」と評価した。医技評として公的保険の導入が適当という判断で、中央社会保険医療協議会(中医協)の総会で異論がなければ、4月から保険適用される見通し。

 福井県は陽子線がん治療の保険適用拡大を重点要望として国に求めている。県立病院陽子線がん治療センターは2011年の開設から昨年末までに986人の患者を受け入れているが、公的保険の適用は小児がんのみで、保険適用がない治療は1件250万円程度の高額な費用がネックとなっている。同センターの前立腺がん患者数は肝臓がんと並んで最も多いことから、保険適用が正式に決まれば利用者が増える可能性もある。

 対象は前立腺がんのほかに、切除が難しい骨軟部腫瘍(骨などの腫瘍)の陽子線治療と、一部を除く頭頸部悪性腫瘍(鼻などのがん)の粒子線治療。その他は従来通り先進医療として継続される見通し。

 今月11日の先進医療会議では骨軟部、頭頸部について「十分な科学的根拠を有する」、前立腺がんは「一定の科学的根拠を有する」とされていたが、医技評ではほぼ同列に扱われた。ただ前立腺は「既存エックス線治療との同等性」を評価しているため、粒子線治療が保険適用される場合はエックス線治療との価格差が焦点になりそうだ。

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