全身の血管に炎症が起こる川崎病。主に4歳以下の乳幼児がかかり、最初の報告から半世紀が過ぎた今も原因は不明のまま。患者数は近年急速に増え、2015年には初めて全国で1万6千人を超えた。福井県内でも30年ほど前には50人前後だったが徐々に増え、近年は100人前後になっている。治療法は進んだものの少数ではあるが心臓の後遺症発生は続いており、注意が必要だ。

 ▽すぐには判断できず

 福井県内の患者数調査の責任者を務める福井愛育病院(福井市)小児科の石原靖紀部長によると、川崎病の症状は▽発熱が5日以上続く▽両目が充血する▽舌がイチゴのように赤くなり、プツプツした状態になる▽発疹ができる-など。石原部長は「BCG接種部位が赤くなるのも特徴。腹痛や嘔吐(おうと)、下痢、関節痛などを起こすこともある」とも。ただ、発症してすぐの段階では判断はつきにくいという。

 かかりつけの小児科を受診した際、川崎病の疑いがあれば、大きな病院を紹介してもらえる。当てはまる症状があったら、まずはいつもの小児科へ行けばよい。

 ▽心臓に後遺症

 東京都立小児総合医療センター(東京)などによると、高熱や発疹、両目の充血といった症状が現れた後、心臓に酸素や栄養を送る冠動脈にこぶ(冠動脈瘤(りゅう))などの病変ができ、心筋梗塞や狭心症につながる場合もある。

 治療の最大の目的はそうした病変の予防。免疫グロブリンとアスピリンの投与が標準的な初期治療となっており、これがよく効くと熱は下がり、炎症も収まる。ただ、効かない患者も全体の2割ほどいて、その場合には病変ができてしまうことが多いという。

 原因が分からない中、冠動脈病変を抑える研究が続けられている。2008年からは全国74の病院が重症患者を対象に、標準的な初期治療と、そこに炎症を抑えるステロイドの一種を加えた場合の効果を比べる臨床試験に取り組み、追試も行われている。

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