力いっぱい3本の縄を編み上げ大縄を作った参加者=14日、福井県敦賀市相生町

 福井県敦賀市相生町の旧西町で400年以上続いた伝統行事で、国指定重要無形民俗文化財の「夷子大黒綱引き」に用いる大綱作りが14日、区内の作業場で行われた。昨年は高齢化や資金不足を理由に開催を断念。2年ぶりの再開を21日に控え、参加者が再び行える喜びと成功への期待を込めて極太の綱を編み上げた。

 綱引きは毎年1月の第3日曜日に開催。夷子方と大黒方が綱を引き合い夷子方が勝てば豊漁、大黒方なら豊作とされる。誰でも参加可能で、例年市民や観光客ら約1千人が訪れていたが、担い手不足などを理由に昨年は中止になった。

 復活に向け模索を続ける中、昨年10月に地元区や市民団体による伝承協議会が発足し再開が決定。同11月から大綱作りの作業を進めていた。

 この日の作業には協議会メンバーや綱作りの職人ら約50人が参加した。わらを一つかみ分束ねた「玉」と呼ばれるものを軸にした細綱を3本作製。高さ3メートルほどのはしごからつるした麻のロープに、男衆がすき間ができないよう細綱を力いっぱい引っ張りながら巻き付けていった。午前8時半から作業し、1日がかりで直径約30センチ、長さ約50メートルの丈夫な大綱が完成。重さは約500キロにもなるという。

 同協議会の木下章会長(73)は「途中で綱がちぎれてけがをしないようしっかりと編み上げ、丈夫に作ることがとても重要。再開する綱引きを必ず成功させたい」と意気込んでいた。

 21日は午後0時半から、区内の夷子大黒会館で神事が営まれる。夷子と大黒の2神が通りを練り歩き午後3時から、綱引きが行われる。

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