歌会始の儀を終え、記者会見する川田邦子さん=12日午後、宮内庁

 新春恒例の「歌会始の儀」が12日、皇居・宮殿「松の間」で開かれた。題は「語」。天皇、皇后両陛下や皇族、一般の入選者らの歌が、伝統的な節回しで披露された。

 福井県から12年ぶり5人目の一般入選者となり、歌会始の儀に招待された福井市の電気工事会社役員川田邦子さん(70)が短歌に込めたのは、亡き夫との思い出と今も変わらぬ愛だった。「この歌は私と主人の合作かもしれません」。天皇、皇后両陛下から直接、歌について質問され、そう答えたという。「この上ない幸せ。一生の思い出になりました。作品を引き出してくれた天国の夫に感謝します」と喜びを語った。

 川田さんの歌は「突風に 語尾攫(さら)はれて それつきり あなたは何を 言ひたかつたの」。がんで亡くなる前の夫が、最後の望みを託して転院する日の朝に声を掛けてきた情景を詠んだ。

 歌会始の儀には、夫の写真をバッグに入れて臨んだ。自作の歌が朗読される間は「厳粛な雰囲気でとても緊張しました。きちっと立っていなきゃと思い、それで精いっぱいでした」と振り返る。

 終了後に両陛下から「体に気を付けて頑張ってください」と言葉を掛けられ感激したという。両陛下については「テレビで拝見するよりお元気でした。高貴さと仲むつまじい様子がにじみ出ていました」と話す川田さん。帰宅後には、宮中行事の様子を墓前に報告するつもりだ。

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