急性心筋梗塞の急患への治療ができない状態が続いている杉田玄白記念公立小浜病院の救命救急センター=11日、福井県小浜市大手町

 福井県の嶺南で唯一、重篤な急患を受け入れる「3次救急病院」に認定されている杉田玄白記念公立小浜病院(小浜市)で、心臓カテーテル治療を担う専門医の補充ができず、昨年11月上旬から2カ月以上、急性心筋梗塞の治療ができない状態が続いていることが11日、同病院への取材で分かった。現在、急患を急性心筋梗塞と診断した場合は全て、30分以上かけて市外の病院へ転送している。

 同病院では昨年、男性内科医と院内の医療従事者との間で、人間関係のトラブルが発覚。停職3カ月の懲戒処分を受けた医師は同11月末で退職した。この医師は循環器内科のベテランで、同病院では急患の心臓カテーテル治療を一手に担っていた。

 同病院によると、以前から救急車で運ばれてきた患者を急性心筋梗塞と診断した際、この医師の都合が付かない場合は、市外の病院へ転送していた。しかし、医師が欠勤し始めた11月上旬以降は、全て転送する態勢とした。同様の転送は、専門医がいた昨年10月は京都府舞鶴市へ1件、不在となった同11月は計3件(舞鶴市2件、福井市1件)だった。いずれも高速道を使っても30分以上の移動が必要となる。

 同病院は既に常勤と非常勤の医師を補充して外来診療の体制は整えたものの、急患に対する心臓カテーテル治療のめどは立っていない。同病院は「3次救急病院として、特定の症状に対応できない現状を重く受け止めている。できるだけ早期に常勤の専門医を確保したい」とし、県とも連携して複数の病院に医師招聘(しょうへい)の要請を続けている。

 県地域医療課によると、県内では同病院と県立病院(福井市)の2カ所を、重篤患者を24時間受け入れる3次救急病院(救命救急センター)に認定している。

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