【越山若水】1901(明治34)年の正月、報知新聞が「二十世紀の予言」と銘打つ特集記事を掲載したことはよく知られている。科学・技術の進歩で20世紀中に実現するであろう23項目を予測した▼例えば「人声十里に達す」「七日間世界一周」など12項目は的中。「遠距離の品物を鑑定し瞬時に落手する」「電気力で野菜を育てる」などは半分当たり▼一方で外れたものは? その一つが「人と獣との会話自在」。獣語の研究進歩して小学校に獣語科あり、人と犬猫猿とは自由に対話することを得るに至る―と解説する▼さらに空想が膨らむ。「従って下女下男の地位は多く犬によりて占められ、犬が人の使いに歩く世となるべし」。要するに人間に代わって、犬や猫がロボットとして働くという▼獣語は解明できなかったものの、予言は当たらずとも遠からずである。21世紀の人工知能(AI)の進化は目覚ましく、今では人間の能力をしのぐロボットが誕生している▼米国の家電見本市には、人と対話する自動車や卓球ボールを打ち返すロボット、AIスピーカーで調理法を教えるサービスなど最新技術がめじろ押し▼日本ではきょう話題の犬型ロボットが発売される。1999年に登場したペット犬の2代目で、飼い主の気持ちをくんで振る舞うらしい。「人間と動物の会話」が現実味を帯びる、空前絶後のAI新時代である。

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