【越山若水】初詣はいつまでにするものか、神社とお寺のどちらへ行くのが本当か。こんな疑問を先日のテレビが取り上げていた。知っているつもりでも案外、答えにくかった▼答えは「特に決まりはない」「どちらでもいい」で、いかにも日本らしい。どこが「らしい」のかといえば、これまた答えづらい。日本の本質に関わるからだ▼まず日本人は、個人でなく「家」として宗教を信仰している。例えば東京大客員教授の松岡正剛さん方は、浄土真宗に帰依する。けれど、家じゅうにしめ縄を飾る▼大みそかには近所の寺で除夜の鐘をつき、神社に参って火縄をもらう。日ごろは町内の付き合いで庚申(こうしん)さまの祭りや地蔵盆もする。「ようするに『神・仏・道』の習合ですね」▼法政大総長の田中優子さん方にも仏壇があったけれど、神棚はなかった。自身はカトリックの洗礼を受けるための勉強を修めた。直前に取りやめたものの、洗礼名も決めていた▼2人の対談を収めた「日本問答」(岩波新書)にある話だ。そんな日本人の態度を「生活行事的」と松岡さんが批判的に語れば、田中さんは「多神多仏的」と擁護する▼松明けである。とはいっても関東の…であって関西は違う。悪く言えばいいかげんな常識だ。でも、別に気にしない。どうして日本人はこうなのか。田中さんによれば「信仰を超えた境地」にあるからだそうだ。

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