歌川国芳の錦絵「武勇見立十二支」に描かれた畑時能と愛犬(山口県立萩美術館・浦上記念館所蔵)

福井県勝山市で戦死した畑時能をしのび奉納されている吟舞=昨年10月、同市北郷町伊知地

 南北朝時代、新田義貞の側近として活躍し、現在の福井県勝山市北郷町伊知地で戦死した畑時能(ときよし)(通称・六郎左衛門)。命日には地元女性グループが忠義を貫いた武勇をたたえる吟舞を奉納するなど、今なお愛される。国内の合戦で初めて軍用犬を使った武将だ。

 太平記に「不思議な犬」と記された時能の愛犬「犬獅子(けんじし)」。鷹巣城(福井市)での籠城戦での犬の活躍は痛快だ。

 闇夜にまぎれ城を抜け出した犬は敵陣に潜り込み、警備が厳しいと一ほえ、寝込んでいると尻尾を振り時能に合図。時能は毎夜、夜襲を仕掛け敵を悩まし続けた。

 このエピソードのファンという「ふくい歴女の会」の後藤ひろみ会長(福井市)は「犬を使って奇襲を仕掛ける姿がアニメさながらで面白すぎる。こんなすごい話が知られていないのは惜しい」と話す。

 勝山市史の地元伝承では犬はその後、伊知地周辺で死んだとあるものの、諸説あり今も定かではない。

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