新しい年の豊漁と安全操業を祈願する正月恒例の伝統行事「舟祝」は2日、福井市白浜町の白浜漁港で繰り広げられた。漁師らが船上から大小の餅を豪快に放り投げると、住民ら約70人が奪い合い、港は熱気に包まれた。
舟祝は集まる人たちを魚に見立て、まき餌代わりに餅をまく行事。島根県から尼子一族が渡来して集落を形成した約450年前から続くという。
大漁旗や松で飾られた漁船4隻にそれぞれの船主や家族らが順番に上がり、お神酒と塩で船を清めた後、計約100キロ分の餅やみかんを威勢良く放った。餅を拾うと縁起が良いとされ、待ち構えていた住民らがもみくちゃになっていた。
船主の一人、岩城治則さん(65)は「舟祝の直前になってあられがやんだ。豊漁が期待できる良いスタートになったのでは」。家族と参加した男児(8)は大きな鏡餅を手に「焼いて食べる。楽しい1年になりそう」と笑顔だった。
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