「国体・障スポの融合は共生社会実現のチャンス」と、車いすテニスの練習を楽しむ竹下輝政さん(右)=福井県坂井市丸岡運動公園

 テニスコートで、車いすと健常者のペアがラケットを構えている。今秋の福井しあわせ元気国体と福井しあわせ元気大会(全国障害者スポーツ大会=障スポ)の融合を象徴する競技の一つ「車いすテニス」には、障害のある人とない人がペアを組む「ニューミックス」種目がある。「互いを理解し、助け合ってのプレーで、仲間意識が芽生え、心が通じ合う」。車いすプレーヤーの竹下輝政さん(63)=坂井市=はスポーツから始まる共生社会の実現を思い描く。

 日曜の夕方、坂井市丸岡運動公園の屋内テニスコート。県車いすテニス協会所属の選手らが「パコーン」と軽快な打球音を響かせている。

 ニューミックスのルールは明快。健常者は1バウンド以内で、車いす選手は2バウンドまでで返球する。ただしニューミックスは交流が目的。大事なのは「相手を思いやり、楽しむこと。いじわるな返球はダメだよ」と竹下さんは笑う。

 ニューミックスは、健常者のプレーヤーにも新たな楽しみを広げている。竹下さんらの練習を昨秋からサポートしている岩﨑俊一さん(62)=坂井市=は、ペアを組んでみて、車いすの選手のうまさに驚いたという。「声を掛け合っていると、ラリーが長く続くから面白い」。テニス歴約45年の岩﨑さんは、これからもっと多くの人とニューミックスを楽しみたいと話す。

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 車いすテニス以外にもさまざまなスポーツに挑戦してきた竹下さんは、障害者スポーツをサポートしてくれる人たちに感謝しながら「これからは障害者が健常者のクラブに入っていって、理解を深めてもらうような積極性も必要なのでは」と感じている。

 竹下さんは昨夏、新たな競技に挑戦した。地元坂井市のラージボール卓球クラブ「春江ピンポンの会」に入会し、メンバーからの「車いすは横方向は動かないんか」「靴履いているんだ」といった素直な問い掛けがうれしかったという。「横方向は無理ですね」「足を守るためですよ」。質問に答えながら、クラブのメンバーが障害を理解しようとしてくれていると感じた。

 竹下さんは融合を掲げる福井国体・障スポは大きなチャンスと感じている。「何げなく、どんな所にも障害者が常に交ざっているような、そんな社会になるといいね」。大会を契機に福井が変わることに期待をにじませた。

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