歴史に「もしも」はないが、龍馬が暗殺されず、春嶽が国のかじ取りを行っていれば、武力ではなく、話し合いで物事を決する国家ができていたかもしれない。戊辰戦争から日清、日露、太平洋戦争へと続く「戦争の70年」に突入しなかった可能性があるように思う。少々、想像を膨らませすぎたが、大国が覇権を争う現在の世界情勢や日本が置かれた立場を顧みるとき、龍馬の新国家構想に立ち返ることは意義がある。

 みやかわ・ていいち 1959年、大分県生まれ。京都大大学院文学研究科修士課程修了(考古学専攻)。95年、京都国立博物館考古室員。2016年から上席研究員。「全書簡現代語訳 坂本龍馬からの手紙」など著書多数。

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