【論説】今年も正念場を迎える数々の懸案が渦巻く。外交では北朝鮮情勢、内政では憲法改正などが重大な局面を迎える。県民にとって最大の課題は、50年ぶりとなる福井しあわせ元気国体・福井しあわせ大会(全国障害者スポーツ大会=障スポ)をいかに成功させるかだろう。傍観者然とせず、当事者として何をなすべきなのかが問われる年になる。

 ■関心高める工夫必要■

 福井国体・障スポでは、競技力強化や大会運営など各方面で長年積み上げてきた準備が試される。県民一丸となって盛り上げたい。

 9月29日の総合開会式に約2万5千人が集い、両大会の期間中には選手や関係者だけで約16万人が県内に宿泊する見込みで、県民にとって一大イベントとなる。来年4月30日に退位を迎えられる天皇、皇后両陛下が臨席される最後の大会としても注目が集まる。

 昨年は各競技でプレ大会が開かれ、本番に向けたリハーサルとして経験を積んだ形だ。課題などを洗い出し、備えてほしいし、宿泊や輸送態勢などにも万全を期してもらいたい。

 ただ、国体への県民の関心はと言えば、まだまだといったところではないか。県や各市町、体協、各競技団体、メディアなど一体で工夫を凝らしていかなければならないだろう。

 本番での盛り上がりにはやはり選手の奮闘が欠かせない。昨年の愛媛国体で福井県は天皇杯(男女総合成績)7位、皇后杯(女子総合成績)8位と健闘。20年東京五輪を控え、有望選手を抱える東京都の“壁”は厚いが、選手一人一人が持てる力を発揮できるよう一層の強化を図ってほしい。

 全国初の取り組みとして、国体期間中に障スポの一部競技が開催される。共生社会への弾みとなる試みだけに、記憶に残る大会になってもらいたい。

 ■懸念増す北朝鮮情勢■

 そうした機運に冷水を浴びせるような事態にならないか、心配されるのが緊迫化する北朝鮮情勢だ。国連の制裁決議などによる締め付け効果が出始めているとされる。北朝鮮の暴発や偶発的な衝突による米朝全面戦争の懸念も拭えない。そうなれば日本にも多大な影響が及ぶ。

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は新年の辞で何を語るのだろうか。昨年11月29日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の発射後、「国家核戦力完成が実現された」と誇示。米国との対話を示唆したとも受け止められる。新年の辞では米国への対話の提案や国内の経済再建などに触れる可能性がある。

 経済制裁の効果は、中国の北朝鮮からの輸入総額が10、11月連続で前年同月比で6割減となるなど顕在化しているとみられる。ただ、国民がどんなに疲弊にあえごうが、核・ミサイルを放棄してまで対話に応じるとは思えず、長期化も懸念される。

 日本にとって最悪のシナリオは、トランプ米大統領が自国への核攻撃を回避するため、先制攻撃に打って出ること、さらにはICBMの放棄のみを要求し「核保有国」として認めてしまうことだ。日本や韓国にとって前者は多大な被害をもたらすし、後者では何ら脅威の排除にはつながらない。安倍晋三首相はトランプ氏との親密な関係をアピールするが、ならば取り返しのつかない判断には「ノー」を突き付けるべきだ。

 ■改憲へ首相前のめり■

 内政では「1強」を背景に安倍首相は一層、憲法改正に前のめりになってくるだろう。「スケジュールありきではない」としていた首相は先日、「20年を日本が大きく生まれ変わるきっかけにしたい」と前言を取り消したとしか思えない発言をした。ただ、性急な取り組みは、国民の反発を受けかねない。安倍首相の下での改憲には多くの国民が反対していることを忘れてもらっては困る。

 今年は来年10月の消費税率2%アップの布石となる年だ。首相には過去2度増税を見送った経緯がある。「リーマン・ショック級がなければ」と条件を付けているものの、「2兆円政策パッケージ」を打ち出すなど、増税路線は堅持する考えのようだ。

 パッケージの大半に増税の増収分の一部が充てられる。首相は「全世代型社会保障」と画期的なことのように形容するが、1千兆円を超える借金残高の返済分は目減りし、支援を受ける世代が将来、そのツケを抱え込むことになる。先進国最悪の財政の健全化をどう果たすのか、道筋を明確に示すべきだ。

関連記事
あわせて読みたい