名人位戦3連覇に向け、練習に励む川崎文義名人=福井市の福井県かるた協会

 競技かるたの実力日本一を決める第64期名人位戦が来年1月6日、大津市の近江神宮勧学館で行われる。3連覇が懸かる福井渚会の川崎文義名人(29)=福井県越前市=は、挑戦者の粂原圭太郎八段(京大かるた会)と5番勝負で対戦する。これまで同様に「相手を意識せず平常心で臨む」と心境を語る川崎名人。「自分の持っているものを全て出し切り、自分らしくやるだけ」と静かに決戦を待つ。

 挑戦者の粂原八段とはこれまでに5、6回ほど対戦しており、「勝敗は五分五分」(川崎名人)。反応が速いだけでなく、駆け引きで相手のペースを乱す独特の戦法が持ち味だという。

 これに対し川崎名人は「自分が磨いてきた戦法を出し切るだけ。相手がこう来るから対応するとか、研究されているからどうするとかではない」とあくまで意識はしない。相手の札を積極的に取りに行く、福井渚会伝統の攻めがるたという「いつもどおり」を貫くという。

 初めて名人位を獲得した2016年は、平常心にこだわった。翌年の初防衛時にはそれに加え、支えてくれた家族や周囲への感謝を糧にした。3連覇が懸かる今回は、「平常心が欠けたら当然だめだし、感謝が一つ欠けてもきっと防衛できない」と一層気持ちを強くしている。福井渚会の山崎みゆき会長は「メンタル的な強さが増し、落ち着きを感じるようになった」と話した。

 11月には次男が生まれた。「責任感を強く持って名人位戦に臨まないと。このタイミングで生まれてきてくれたことは、そういうことだと思う」と笑う。誕生したばかりのわが子からの“エール”を背に、「楽な方に逃げず、守りに入らない」と闘志をかき立てた。

 同日行われる第62期クイーン位戦では、九州かるた協会の鶴田紗恵クイーンと、東京明静会の山下恵令六段が対戦する。

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