「福井県立大で福井県を支える人材を育成する」と話す進士五十八学長=福井県永平寺町の同大永平寺キャンパス

 福井県立大は2017年、創立25周年を迎えた。これまで大学、大学院を合わせて約8500人の人材を輩出してきた。県民に開かれた大学を目指し、昨秋にオープン・ユニバーシティ構想を発表した進士五十八(しんじ・いそや)学長は「県民の学びを支援し、福井県の持続可能性を支える人材育成が使命」と強調する。福井県立大の役割や研究・人材育成の展望を聞いた。

 ―福井県立大の役割は何か。

 「福井県が設置した公立大学の使命は、県や県民、企業、地域社会を活性化し、県の持続可能性を支える教育研究拠点であり続けること。そのために三つの柱からなるオープン・ユニバーシティ構想を掲げた」

 ―構想の狙いと進捗は。

 「永平寺町と小浜市で総面積44ヘクタールのキャンパスは県民共有の財産。構想の1番目の柱『県民のにわ』は、そのキャンパスを県民誰もが集い、交流できる場にすること。学生食堂を『県大レストラン』として開放、桜や果樹を植え、くつろげるようにした」

 「2番目の柱は『県民の学び』。社会人聴講生の受講料を大幅に引き下げ、受講生が5倍に増えた」

 「3番目の柱『県民・地域とのつながり』では自治体や企業、団体とのネットワークを強化する地域連携本部を発足させた。福井銀行の地域創生チームとも協力し、県下一円で連携の要望を集約している。地元では、永平寺町の協力を得て、地域課題に対してフィールドワークを行う『永平寺町学』を始めている」

 ―研究分野での構想は。

 「生物資源学部は分子生物学などの世界的研究で実績を挙げているが、福井県の農業新時代を招来する新種開発や地域農業を革新する実学教育に取り組む。そのため、あわら市にある生物資源開発研究センターを活用する。恐竜学研究所と福井県立恐竜博物館(勝山市)の連携で、大学院に古生物学の専門種目を設けてドクター(博士)を輩出し、中国・内モンゴル自治区のゴビ砂漠での化石発掘調査など世界レベルの研究を進める」

 ―人材育成の展望は。

 「全国89の公立大学のモデルとなり、リードする拠点大学を目指す。自らの人生ビジョンを持った学生を送り出したい。地域社会との共生、協調といった価値観を持ち、ふるさとを愛し、コミュニティーをいかに持続させるかに腐心するリーダーを育てるのが、福井県立大の使命だ」

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