【論説】北陸新幹線敦賀―新大阪間の開業前倒しを目指し、関西の経済界と自治体が建設促進を求める決起大会を初めて開いた。来賓で招かれた西川一誠知事が「画期的」「心強い」と表現したように、大きな経済市場を持つ関西からの熱意こそ、政府・与党を動かす原動力になるだろう。

 これまで、敦賀以西の建設促進決起大会は北陸の政財界が主導してきた。今回は、関西の2府6県と4政令市で構成する関西広域連合と関西経済連合会、北陸新幹線のレールが通る京都府・大阪府が主催者に名を連ねた。従来受け身だった関西が北陸新幹線の地元として決意を示した形だ。

 決起大会で注目されたのは関西広域連合長の井戸敏三兵庫県知事のあいさつだった。「大阪までのルートが決まり、敦賀以西は新たなステージに入った。われわれの情熱を見ていただきたい。北陸と連携を図りながら強力に取り組みを推進したい」と強調、早期に建設財源を確保するよう政府・与党に訴えた。

 一方、財源の一部の地方負担について井戸連合長は「開業効果は関西全体に及ぶ。これを前提にした公正な負担のあり方を検討する」と述べ、建設費の地元負担を関西全体で調整する姿勢を示した。現行では建設距離に応じて沿線自治体が費用の一部を担っており、敦賀以西では京都府が最も負担する計算になる。京都府は「受益に応じた地元負担を」と表明しているだけに、負担割合の調整役として関西広域連合の役割は大きいといえる。

 今年3月、新大阪までの全ルートが決定し、敦賀―新大阪間の建設費は2兆1千億円と試算された。財源は北海道新幹線札幌開業までの分しか確保されておらず、このままでは敦賀以西の着工は札幌開業を迎える2031年春以降となり、開業は46年春になる。

 決起大会で「30年後の開業はあまりに遅すぎる」と指摘したのは関経連の松本正義会長だ。「敦賀開業後も切れ目なく整備し、新大阪まで8年間の工期でやり、30年ごろの開業を」と望む。少しでも早く人の動きを関西に呼び込みたいという狙いがある。北陸3県も交流人口の拡大に期待し早期開業を訴える。

 延伸が早いほど経済効果が大きくなるのは明らか。沿線の総意で政府・与党を動かす必要があり、関西に当事者意識が広がってきたのは、約5年後に金沢―敦賀開業を迎える福井県には願ってもない動きだ。

 「関西の官民が心一つになって主体的に取り組む」と誓った決起大会は意義深い。早い段階で財源にめどを付け、敦賀開業から間を置かず敦賀以西に着手し一気に全線開通できるよう、関西の底力に期待したい。

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