【越山若水】「たましひの繭(まゆ)となるまで吹雪(ふぶ)きけり」。北海道在住の俳人、斎藤玄の一句。激しい風を伴う吹雪は砂をまくようで、魂まで繭に閉じ込められてしまった…と詠む▼降り積もった雪が舞い上がる吹雪は、視界を遮り方角を見失う場合も多い。江戸時代の「北越雪譜」にも、雪中で歩けなくなり遭難した夫婦の話が載っている▼急激に発達した爆弾低気圧がオホーツク海に進み、きのうの北海道は暴風や吹雪が吹き荒れた。名寄市では交通事故が発生し、約100台の車が一時立ち往生した▼災難の誘因となった爆弾低気圧が今後、強烈な寒波を呼び寄せるため東北や北陸でも28日にかけて暴風雪に注意が必要という。穏便に願いたいところだが、「爆弾」と聞けば、自然と身が引き締まる▼ところで少し刺激的な名前の爆弾低気圧。気象庁によると、急速に発達した温帯低気圧のこと。中心気圧の低下の目安も決められているが、予報用語には採用されていない▼その理由は「爆弾テロを連想させて不適切」だから。類似の事例にゲリラ豪雨がある。マスコミの造語ゆえ、気象庁は「局地的大雨」などと換言する▼新聞やテレビの報道では普通に使っている。インパクトがあって注意を促すには効果が高いからだ。ちなみに気象庁考案の「猛暑日」もかなりパンチがある。ただ一番の気がかりは、今回の「爆弾」の威力である。
 

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