北陸新幹線延伸に向けた整備が注目される福井県あわら市のJR芦原温泉駅周辺=25日

 橋本達也前市長の辞職に伴う福井県あわら市長選(1月28日告示、2月4日投開票)まで1カ月余り。これまでに1人が出馬を正式に表明、2人が出馬の意向を固めた。水面下ではさらに立候補をめぐる動きがあり、候補者が乱立する可能性もある。旧金津町対旧芦原町の構図になるとの見方もある中、市民の中には政策論争を期待する声がある。

 ◆後出しじゃんけん

 「私は絶対に出ないが、『出るんか』との問い合わせは複数あったよ」。元市議は、前市長の不適切行為問題が発覚した12日夜の出来事をこう振り返った。

 問題の発覚直後から、市民は前市長の進退の判断を注視する一方、次の市長選に向けた動きを活発化させた。前市長が辞職した翌20日には、病院院長の中川智和氏(54)と元市議の大下重一氏(70)が出馬の意向を示した。25日には前県観光営業部長の佐々木康男氏(59)も意向を固めた。このほか現職市議の擁立に向け、市議会が調整を進めているもようだ。ほかにも有力者をめぐる出馬の動きも取り沙汰されている。

 事情通の1人は「出馬を明らかにしていない人は、ほかの候補予定者の動向や市民の反応を眺めている状況。“後出しじゃんけん”の可能性が高く、乱立もあり得る」とみる。

◆旧金津対旧芦原

 出馬が表面化したうち2人は旧金津町在住。市民の間では、旧芦原町に比べ旧金津町から出馬する人数が多いのでは、との声がささやかれている。

 ある市議は「今のあわら市では、政策の優劣より旧金津対旧芦原の構図になる公算が大きい」と指摘する。旧金津町を地盤に持つ市議は「旧金津で候補を一本化しなければ(落選者4人全員が旧金津という)6月の市議選の二の舞になる。市長が常に旧芦原から出ることになるような事態は避けたい」。旧金津の候補者間で調整するべきだと訴える。

◆山積する課題 

 北陸新幹線県内延伸に向けたJR芦原温泉駅周辺のまちづくり、誘客増に向けたブランド化、子育て支援…。市の課題は山積している。不適切行為で“途中退場”した前市長だが、課題に取り組む手腕への市民や市職員の評価は低くない。

 ある市民は「市長になるのはゴールではないし、単に混乱に乗じて市長の椅子を狙う人物には市を任せられない。これまでの施策を冷静に判断した上でスピード感を持って市政に取り組む人が望ましい。訴える政策で、どの候補者に投票するか決めたい」と話した。

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