【越山若水】落語の「へっつい幽霊」は幽霊と人間がばくちをする筋書きである。内容は省くが、最後に負けが込んだ幽霊がひと言。「あっしも幽霊。決して足は出しません」▼落語を締める語り口を「サゲ」や「オチ」と呼ぶ。どちらも同じと思いきや、落語ファンの広瀬和生さんは実は違うという(「現代落語の基礎知識」集英社)▼落語は面白おかしいオチがあるから落語と呼ぶ。冒頭のシャレがその典型だが、中には噺家(はなしか)が「○○由来の一席でございます」などと言って終わる場合がある▼また持ち時間の関係上、切りのいいところで「冗談言っちゃイケネェ」と強引に幕引きしたりもする。これらがサゲ。ただし両方とも「これで終わりと観客が納得するフレーズ」でないと許されない▼さて今年の国会をにぎわした森友・加計学園問題。想像を絶する巨額値引きの国有地売却、総理の意向がちらつく獣医学部認可。安倍首相や政府の説明は国民に届いたのか▼今月初めの世論調査では、森友関連の答弁には75%が「不十分」と言い、加計関連も66%が「納得できない」と回答。国会審議に満足がいかない様子▼森友・加計問題は巷間(こうかん)、そばに引っ掛け“モリカケ疑惑”とも呼ばれた。そばも落語もうるさ型の通人が多い。オチもなくサゲも納得いかぬモリカケ落語。「お後がよろしいようで…」のひと言で到底終われない。

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