自民党福井県連会長人事を巡る申し入れ書の撤回を求め、稲田朋美氏の事務所に入る福井市議の見谷喜代三氏(左)と青木幹雄氏=22日、福井県繊協ビル

  ■  ■  ■

 市議が稲田氏に反旗を翻した背景には何があるのか。

 多くの関係者は、山崎氏とともに会長選に立候補した高木毅衆院議員=福井2区=の推薦人として稲田氏が名を連ねているため、一連の言動に市議が違和感を抱いていると語る。

 「稲田氏は『山崎氏と高木氏のどちらが良いかということでなく、選挙を封殺するのがおかしい』と主張するが、高木氏の推薦人である以上、山崎氏に文句があるとみなされてしまう。稲田氏の権力闘争にこれ以上巻き込まれたくない」と関係者の一人は声を潜める。

 2019年春の統一地方選では市議選が行われる。「重鎮山崎氏と築いてきた良好な関係を壊したくないとの思いが市議にはあるようだ」とみる関係者もいる。

  ■  ■  ■

 稲田氏と同じく高木氏の推薦人に名を連ねる滝波宏文参院議員も、会長選の仕切り直しを求める申し入れ書を県連に提出している。県内各支部にも同調を呼び掛けており、泥沼の様相を呈している。

 これに対し、山崎氏は新執行部がまだ発足していないこともあり、静観の姿勢だ。山崎氏側の関係者は「『高木氏側は、公明正大に選挙をしてそれで山崎氏が選ばれるのならノーサイドだ』と言うが、仮に選挙をすることになれば、こちら側に何か落ち度があったように受け取られてしまう。それは本意ではない」と語る。その上で「何が稲田氏と滝波氏を突き動かしているのだろうか」といぶかる。

 党員の一人は「自民の仲間同士でけんかをして誰が喜ぶのか。野党に足をすくわれたら、全国の党員から笑いものになる」と指摘した。そしてこう言葉を振り絞った。「国会議員同士が腹を割ってとことん話し合い、結束することが何より大事。本当のノーサイドが早く訪れてほしい」

関連記事