男子生徒が自殺した福井県池田町立池田中学校=同町

 福井県池田町立池田中学校で今年3月、当時2年生の男子生徒が自殺した問題で、福井市の市民団体は21日、厳しい叱責などにより生徒を自殺させたとして、業務上過失致死容疑で当時の担任と副担任、責任者である校長に対する刑事告発の告発状を福井地検に提出した。

 市民団体は同日、市内で会見し「生徒が亡くなった事実を無視することはできない。真相解明のためには権限を持つ捜査機関に委ねる必要があると考えた」と刑事告発の意義を語った。

 告発したのは、犯罪や不当行為を弁護士とともに法的手段を駆使し解決を目指すボランティア団体「社会問題被害者救済センター」(本部・福井市)。会見した村内光晴センター代表と代理人の西村雄大弁護士(大阪)は「事件から9カ月がたち、報告書が公表されたが解決にはほど遠い。風化させてはいけない」と指摘。第三者による告発という手段については「遺族の心の傷は深いと思う。(告訴により)矢面に立たせることはできない」と述べた。

 告発状によると、担任、副担任は生徒を叱責する際、精神的打撃が大きくなりすぎないよう配慮する業務上の注意義務を怠り、限度を超えた厳しい叱責を繰り返した過失により、生徒を自殺に至らせたとしている。また、校長は担任や副担任の指導に問題がないか調査し、改善を図るなどの注意義務を怠った過失により、生徒を自殺に至らせたとしている。

 町教育委員会が10月15日に公表した調査委員会の報告書によると、男子生徒は今年3月14日午前8時すぎ、池田中3階廊下の窓から飛び降りたとみられ、搬送先の病院で死亡が確認された。担任、副担任の厳しい叱責にさらされ続けた生徒は、孤立感、絶望感を深め、自死するに至ったと結論付けている。

 告発は第三者が犯罪の疑いを捜査機関に申告し、処罰を求める手続き。これまでに生徒の家族と面会、告訴や民事訴訟は現時点で考えていないことを聞いた上で、市民団体として告発する方針を固めた。
 

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