冬場に入り、家庭や職場で風邪が流行しています。昨シーズンは風邪をこじらせた高齢の家族が肺炎になり、入院しました。今年も肺炎にならないかとても心配しています。肺炎の症状や対策について詳しく教えてください。(福井県小浜市、50代男性)

【お答えします】小嶋徹・福井県立病院呼吸器内科科長

 ■死亡の95%が65歳以上

 師走を迎え、寒さも本格的になり体調を崩される方も多いことと思います。何かと忙しいこの時期、痰や咳が続き熱っぽかったりしても「まあ、しばらくすれば治るだろう」と放置している人も少なくないと思います。

 確かに風邪は、ウイルスによる気道感染症なので抗生物質の効果は期待できませんし、休息などの対症療法が中心となる病気です。しかし注意しないと“風邪をこじらせた状態”になることがあり、この代表格が「肺炎」です。

 風邪の原因となるウイルスが気管支の粘膜をはげ落としたところに、肺炎の原因となる細菌が入り込んで肺炎を引き起こします。実は肺炎は年間11万人も亡くなる死因第3位の恐ろしい病気です。免疫力が低下した高齢者は特に注意が必要で、肺炎による死亡者のうち約95%が65歳以上の高齢者となっています。

 風邪をこじらせて起こる肺炎ですが、インフルエンザにかかった後は特に注意が必要です。今年は12月1日にインフルエンザが全国的な流行期に入ったと厚労省から発表がありました。例年は1月頃なので今年はやや早めということとなり、今からでも遅くないのでインフルエンザワクチン接種をしてください。肺炎球菌ワクチンも重要です。

 ■高熱持続、息切れ、黄色い痰に注意

 肺炎にかかってしまった場合には、早期発見、早期治療が重要となります。肺炎の初期症状として咳や黄色い痰の増加、高熱の持続、運動時の息切れが挙げられます。ここでも高齢者は注意が必要で、発熱、咳などが目立たないことも多く、発見が遅れがちになります。風邪がすっきりしないなと思ったら、まずはかかりつけ医に相談してください。胸部エックス線検査を受けると肺がくもって見えるので診断がつきます。県立病院では24時間体制の救命救急センターで肺炎の診療をしています。呼吸器内科医と循環器内科医も交代で勤務しており、重症者の対応も可能です。

 風邪やインフルエンザにかからないように普段から手洗い、マスクで予防してこの冬を過ごしてください。
 

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