【越山若水】超巨大地震の発生が「切迫している」と聞かされた北海道東部の人たちは、どう思っただろうか▼道東沖では東日本大震災並みのマグニチュード(M)9級の超巨大地震が340〜380年周期で起きている。“前回”は約400年前だから、もう「満期」には違いない▼発生すれば大津波も襲ってくる。400年前は約24メートルもの高さで押し寄せたと推定されている。6年前の、あの東北のむごい光景を思って震えがくる▼とはいえM9地震が起きる確率は「今後30年間に最大40%」と言われてもピンとこない。だいいち30年は短いようで長い。筆者のような年かさならまず鬼籍に入っているだろう▼一方、千年が一瞬でしかない地球が研究相手なら、30年間はまさに「切迫」した年月だ。こうして一般人と専門家の間に実感のズレが生まれてはいないだろうか、と心配になる▼地震の予測は難しいと聞く。超巨大地震となれば、予測が当たらないに越したことはない。けれど的中しなければ予測は国民の信用を失い「オオカミ少年」になってしまう▼政府の地震調査委員会もなかなか悩ましかっただろう。そう想像してみると、今回の発表に真実味が湧く。「今後30年間」とは、ただいまこの瞬間に起きる可能性もあるということ。道東の人たちの心中を思いながら、同じ地震列島の住人には人ごとでないと言い聞かせた。

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