海外旅行会社の担当者や外国人観光客が訪れる福井県敦賀市の「人道の港敦賀ムゼウム」。同市はリトアニア、ポーランドへの使節団派遣で、ムゼウムの資料充実や誘客につなげたい考えだ=10月31日

 ユダヤ人難民やポーランド孤児を敦賀港で受け入れた史実を縁に、福井県敦賀市は19日、渕上隆信市長ら市の使節団が来年2月13~18日の日程でリトアニアとポーランドを訪問すると明らかにした。リトアニアでは「命のビザ」でユダヤ人難民を救った外交官杉原千畝の記念館を訪れ、敦賀の情報発信ブースの設置を打診する。ポーランドでは孤児関係の資料調査を進め、今後のインバウンド(訪日外国人客)対策や関係強化につなげたい考え。

 19日に開かれた定例市議会最終日に関連経費442万円などを盛り込んだ追加の補正予算案が提案され、賛成多数で可決された。

 ポーランド孤児は1920年と22年、動乱のシベリアで親を亡くした763人がウラジオストクから敦賀港に上陸。ユダヤ人難民は第2次大戦中の40~41年、ナチスの迫害を逃れ、リトアニアの日本領事館で杉原が発給した「命のビザ」を持って敦賀港にたどり着いた。

 渕上市長が両国を訪れるのは初めてで、リトアニアのカウナス市から同国の独立100周年記念式典への招待状が届いたことをきっかけに使節団派遣を決めた。

 使節団は渕上市長、市議会の代表ら6人。リトアニアでは記念式典に出席するほか、カウナス市にある旧日本領事館の記念館「杉原ハウス」を訪れ、敦賀の史実などを紹介するブースの設置を目指して関係者と協議する。

 ポーランドでは、孤児を調査しているワルシャワ市在住のジャーナリスト松本照男さんらと会い、関連資料を調査する。両国の日本大使館なども訪れ、リトアニアと敦賀の中学生の美術交流事業の促進、2020年のポーランド孤児上陸100周年に向けた意見交換も行う。

関連記事
あわせて読みたい