冬場は急性心筋梗塞に注意を-。突然死の原因の半数以上を占めるといわれる急性心筋梗塞は、寒暖差が生じやすい冬から春にかけて発症者が増える。高齢者だけでなく40、50代の働き盛りの世代も少なくない。福井県内の患者数の人口比は全国平均よりも高く、専門医は「冷や汗や吐き気を伴う胸痛を感じたら急性心筋梗塞の可能性がある。すぐに医療機関を受診して」と呼び掛ける。

 心筋梗塞は心筋の血流が悪くなることで起こる。心臓に栄養を運ぶための冠動脈が硬くなったり、コレステロールの塊が血管の内側に蓄積して狭くなったりすることが要因。心筋への血流が不足する段階(狭心症)を経て、症状が進行して冠動脈をふさいでしまうと、心筋が壊死(えし)して心筋梗塞を発症する。

 胸の強い痛みや息苦しさがあり、ほかにめまいや頭痛が伴うこともある。高齢化や食生活の偏りなどにより患者は増加傾向にあるという。

 狭心症の自覚がないまま、何の前触れもなく発症する人が3分の2を占める急性心筋梗塞は、搬送前に心停止状態になる人も少なくない命に関わる重大な病気で、発症後は一刻も早い治療が必要だ。しかも冬場は要注意。気温の変化によって血管が縮み、血圧の急上昇を起こす場合があり発症しやすい。

 急性心筋梗塞の県内の年間患者数は約450人。2015年の厚労省の統計によると、福井県内の人口10万人当たりの死亡数は男性54・3人(全国6位)、女性31人(同15位)とともに高い位置にある。

 福井県立病院(福井市)では、毎年約100人の急性心筋梗塞患者を受け入れている。脳心臓血管センターの青山隆彦・循環器内科主任医長は「40、50代の患者が増えている。糖尿病や高血圧、脂質異常症といった病気がある人や喫煙者はなりやすい」と指摘。「強い胸痛を20分以上感じた場合は、速やかに医療機関を受診してほしい」と話す。

 心臓リハビリテーション指導士資格を持つ小林義文・リハビリテーション室長は「背景となる生活習慣の改善が大事。運動する習慣も身に付けてほしい」とする。

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