福井県敦賀市の社会福祉法人「相生会」は18日、前理事長が法人名義のクレジットカードを使うなどして約6100万円を不適正支出したとして、前理事長を相手に不当利得金の返還を求める民事訴訟を福井地裁敦賀支部に起こした。同法人に対し敦賀市は今年2月、特別指導監査を実施。不適正支出額を確定させ、私的な使用については早急に返還・回収の措置を講じるよう指導している。

 訴状によると、前理事長は2001年、法人運営の特別養護老人ホーム「常磐荘」の施設長に就任。04~16年に施設長と兼任して法人の理事長を務めた。相生会が不適正としたのは▽法人クレジットカードの支出約823万円▽給与の受給約3944万円▽不動産賃料の支出約1365万円-の計約6132万円。施設長として毎月給与を受給していたが、県外に常時滞在し「常勤」していなかったとした。また、理事会に諮ることなく県外に複数の不動産物件を法人名義で賃貸し、自身の居住用建物として利用していたと指摘した。

 敦賀市は16年8月、2年に1回行う定期の一般監査で、クレジット払いで具体的な明細が付けられていない伝票があると指摘。特別指導監査では、第三者による調査で全容解明を行うことや、会計処理の適正化に向けた具体的対応状況の報告、理事会や監事機能の充実・強化を図ることを求めた。

 相生会は弁護士3人らによる内部調査委員会を立ち上げ、クレジットカードや給与、不動産物件への賃料は、適正な手続きを踏まずに前理事長の一存で支出されたと判断。カードで購入した商品も業務との関連性は見いだせないとした。

 訴えに対し前理事長は「不適正支出といわれることは心外。県外にいても問題が起これば対処できるようにしていた。社会福祉法人が県外に出て事業を行うことが多くなっていることを踏まえ、県外にいて情報を集めていた」と話している。

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