【越山若水】リニア中央新幹線は時速約500キロの高速で走る次世代鉄道である。2027年に先行開業する東京―名古屋間はわずか40分で、大阪までは67分で行けるという▼その「夢の超特急」の建設工事を巡って、大手ゼネコンが入札前に受注調整していた疑惑が浮上。東京地検特捜部などは独禁法違反の疑いで家宅捜索を行った▼公共事業を筆頭に建設・土木工事は昔から談合や受注調整、政治家の天の声など不正の温床になってきた。しかし国民の怒りを買い、監視体制は相当に強化された▼にもかかわらず、またもや明るみに出た不祥事。ものづくり企業のモラル逸脱にあきれた直後だが、今回は大手4社全てが捜索される見通しで、事件として共犯関係が問われる。信用失墜は免れない▼噴出した「リニア疑惑」に反感を覚え、ついつい「噴飯もの」と言いそうになったが、ここで一呼吸。その慣用句を「腹立たしくて仕方ない」の意味で使うのは誤用である▼本意は「食べかけのご飯を噴き出すほどおかしいこと」。それなら「難工事で大手以外はできない」という傲慢(ごうまん)さこそ笑止千万の「噴飯もの」である▼そこに勘違いがある。元請け企業として世間を渡るうちにずる賢くなる。まさに「世間ずれ」。さらに増長し世の中の考えから外れていく。つまり誤用の「世間ずれ」へと至る。ゼネコンの体質改善は急務である。

関連記事
あわせて読みたい