【論説】プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)で、北陸高出身の鍬原(くわはら)拓也投手(中央大)が巨人に1位、啓新高の牧丈一郎投手が阪神に6位で指名された。北陸、啓新両校から初の日本野球機構(NPB)のプロ選手誕生となる。ともに人気球団の中で力を思う存分発揮し、新たな一ページを加えてもらいたい。

 鍬原投手は右投げ右打ち。岡山県生まれで、3歳以降は奈良県で過ごした。母子家庭で経済的理由などもあって、特待生で迎えた北陸高に進学した。甲子園出場こそないが、中央大で成長。最速152キロの直球とシンカーを武器に東都大学リーグで通算11勝を挙げた。福井県勢の1位指名は2015年のオリックス吉田正尚(まさたか)外野手(敦賀気比高出身)以来2年ぶりだ。

 会見などで、中央大の先輩、阿部慎之助内野手から心構えについて教えを請う姿勢を示し「巨人はいい選手がいっぱいいるが、戦っていく自信はある」と強調した。先発、リリーフどちらとも高いレベルと評価されている。即戦力として、まずは1軍定着を目指してほしい。

 牧投手は右投げ左打ち。京都市出身。182センチ、82キロの恵まれた体格から繰り出す直球は最速152キロ。夏の福井大会は準々決勝で敗れ、甲子園出場はならなかったが、高校生離れしている腕の振りの強さはプロ野球界から注目を集めていた。仮契約の際には「早くプロの舞台で投げたい。しっかり体をつくって、誰にも負けないストレートを目指す」と気持ちを高ぶらせた。

 福井県勢のドラフト指名は、県内高校に一時在籍した留学生らを含め11年から7年連続。今季は、俊足好打で広島のリーグ優勝に貢献し、アジアプロ野球チャンピオンシップに日本代表メンバーとして出場した西川龍馬内野手(15年ドラフト5位、敦賀気比高出身)が飛躍を遂げた。また西武で28セーブを挙げ、救援陣を支えた増田達至投手(12年ドラフト1位、福井工大出身)の活躍も光った。

 BCリーグの福井ミラクルエレファンツの選手の指名は今回なかった。お隣の石川ミリオンスターズからは3人が選ばれているだけに寂しい。来年こそはチームを立て直し、複数選手が指名を受けられるよう奮起してもらいたい。

 ドラフト指名は他の選手の刺激になり、福井県全体のレベルアップにつながる。鍬原、牧両投手とも福井県出身ではないが、県民は親しみを持って2人の成長に目を細め、応援にも一層力を入れるはずだ。近い将来、巨人―阪神戦で対決という場面が来るかもしれない。たくましさを増してマウンドに上がる勇姿を楽しみに待ちたい。

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