【越山若水】未来はどんな時代なのか。それは誰だって気になる。だから昔からあまたの予言が発表された。もちろん当たり外れはあるが、総じて大胆かつ大げさな内容が多い▼鉄鋼王と呼ばれた米国の大富豪、アンドリュー・カーネギーは1900年にこんな予言をした。「産業と科学技術の進歩のせいで二十世紀に戦争はなくなる」▼晩年の鉄鋼王は慈善活動に傾倒し、多額の寄付で公共図書館建設や大学、平和基金創設に尽力した。恐らく希望的観測だったのだろうが、残念無念、的外れだった▼逆の意味で外れた予想もある。1903年12月、米ワシントンのポトマック川で科学者ラングレーは見物人を大勢集めて飛行機の実験を行った。しかし機体は浮くどころか、途端に川に落ちて大失敗▼大手新聞は「飛行機が完成するのは百万年か二百万年後だろう」と皮肉った。しかし9日後、ライト兄弟は見事に初飛行を成功させた(半藤一利さんの対談集/文藝春秋)▼日銀短観によると、大企業製造業の景況感が11年ぶりの高水準だという。好調な海外経済を受け輸出は堅調、景気拡大の長期化を予測する声もある▼ただ庶民にはまだ実感が乏しく、内需も伸び悩んでいる。北朝鮮情勢などリスクも無視できない。はてさて来年の景気の先行きは? 専門家の見方もいろいろだが、悪い予言は外れ、良い予言が当たれば文句なし。

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