塩分を半分以下に抑えたへしこを開発した土田捺樹さん(中央)や末信一朗教授(左)ら=13日、福井市の福井大文京キャンパス

 福井大は13日、塩分を従来の半分以下に抑えたサバのへしこを、水産加工食品製造販売の千鳥苑(福井県美浜町)と開発したと発表した。同大学生が研究の一環で取り組み、へしこ独特のうま味や食感を残しつつ減塩することに成功した。健康志向の高い人や幅広い世代からの需要を見込み、同社が20日から販売する。

 嶺南の新しい特産品を作ろうと、同社が同大大学院の末信一朗教授に相談したのがきっかけ。「へしこの塩分を減らすことでもっと広く受け入れられるものにならないか」(末教授)と昨年4月、末教授の生命機能工学研究室で減塩へしこの開発に着手。今年4月から土田捺樹さん(工学部生物応用化学科4年)が担当した。

 へしこの製造段階で塩分を減らす製法では身が軟らかくなり酸味も強くなるという難点があり、既製のへしこから塩分を抜く方法を模索した。商品化に向けコスト面も考慮し、水やアルコールなどさまざまなものに漬け込み脱塩効果を試験。酒かすとホワイトリカーを混ぜたものに常温で3日間、漬け込むことで、へしこのうま味を残しつつ脱塩することに成功した。塩分濃度は約10%から約4%になった。

 福井市の同大文京キャンパスで会見した土田さんは「健康志向の人が増える中、減塩へしこが多くの人に好まれ、産地の活性化につながれば」と期待を示した。「今までできなかった料理にも活用できる」と、生春巻きやキッシュなどのレシピを提案した。

 商品は、千鳥苑が自社製品のへしこを脱塩して製造。「福大へしこ」と名付け、同社運営のドライブイン(美浜町坂尻)で20日から、1パック千円程度で販売する。同社の石塚勲常務は「学校給食での活用なども提案したい。子どもたちにも親しんでもらい、若狭の伝統食を次世代につなげられれば」と話した。

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