福井県池田町池田中=同町稲荷

 福井県池田町池田中学校で今年3月、当時2年生の男子生徒が自殺した問題について、県議会総務教育常任委員会は11日、福井県の公教育の在り方が問われているとして、教育行政の根本的な見直しを求める意見書案を全会一致で可決した。意見書案は松田泰典議長に提出される。

 意見書案では、池田町の調査報告書で男子生徒の自殺は学校の対応に問題があったとされたことについて、教員が多忙化により「子どもたちに適切に対応する精神的なゆとりを失っている状況があったのではないかと懸念する」と指摘。県内全体の状況として「『学力日本一』を維持することが教育現場に無言のプレッシャーを与え(中略)多様化する子どもたちの特性に合わせた教育は困難と言わざるを得ない」とし、公教育の検証と見直しを求めた。

 具体的には▽義務教育課程は過度の学力偏重は避ける▽教員の多忙化を解消する▽発達障害傾向の子どもが増えていることを踏まえ、学校での生徒理解の徹底を図る―など4項目からなる。

 委員会審議では、委員から「県立高入試の英検加算導入が教員の多忙化に拍車を掛けている」「県独自の教材利用の授業などが負担を増している」との指摘が相次いだ。

 これに対し東村健治教育長は「(教員から)生徒に向き合う時間が取れないと聞いている」との認識を示し、少人数指導を目的にした教員の加配措置や、授業の負担軽減を図る副教材の活用を推奨し「多忙化解消に努力していきたい」と述べた。

 委員会終了後、斉藤新緑委員長(県会自民党)は「先生の忙しさはパンク状態。過労死などがあってもおかしくないし、生徒の自殺を二度と起こさないためにも公教育の見直しは必要」と述べた。

 意見書案は県会最終日の19日の本会議に提出される見通し。

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