女性アスリートの月経管理支援の必要性について語る細川久美子部長=福井市の県済生会病院

 来年の福井国体に向け、福井県内の産婦人科医でつくる県産婦人科医師連合は、女性アスリートの競技力向上を目的に、月経管理支援の取り組みをスタートさせた。生活指導やホルモン剤の使用などによって月経による体調の変化が及ぼす影響を極力減らし、試合日にベストコンディションにする。主導する医師は「心身ともに安定して競技に臨めるようにし、好成績を残せるようバックアップしたい」としている。

 2014年に発表された国内のトップアスリートに対する調査では、女性の約4割が「黄体期から月経期にかけてコンディションが悪化する」「卵抱期、排卵期は比較的コンディションが良い」と回答した。女性は月経周期の変動に伴い、むくみ、イライラなどの不快な症状が現れる「月経前症候群」や、痛みや吐き気が強まる「月経困難症」などが起こることがあり、月経が競技成績に少なからず影響を与えているとみられている。

 県スポーツ医・科学研究会が15年度に行ったアンケートでも、約3割の選手が月経が競技に与える影響に不安を感じていると答えた。ただ、そのうち実際に産婦人科医に相談をしたのは1割にとどまっていたことから、同連合が「福井県女性アスリート・ルナコントロールプロジェクト」を立ち上げ、支援に取り組むことにした。

 選手個人の月経周期変動に伴う体調の変化を分析、低用量ピルを使って体調を安定させ、重要な試合の日に最適な状態となるように調整する。対応する医療機関は、県済生会病院(福井市)や福井大医学部附属病院(永平寺町)などで、一般社団法人「女性アスリート健康支援委員会」のホームページで情報を発信している。

 女性アスリートに対する月経管理支援は、5年ほど前から注目され始めたという。同プロジェクトのリーダーを務める県済生会病院産婦人科の細川久美子部長は「まずは選手が月経に関する悩みを相談しやすい環境をつくること。そして、講演会などを通して、指導者や保護者らに月経管理の必要性を訴えるほか、強化合宿などでの出張相談も行い、女性たちが最高のパフォーマンスができるよう支援したい」と話す。産婦人科医を対象にドーピングに対する知識を提供する講習会も検討したいとしている。

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