のれんを手に往時を振り返る松浦禮治さん=福井県越前市若竹町の城勝湯

 市内では6年ほど前、京町3丁目にあった1軒が廃業。スーパー銭湯や市の施設を除くと、城勝湯が唯一の公衆浴場となっていた。夫と週4、5日のペースで通っていた関弘子さん(74)=同市=は「毎日温かいお風呂を楽しみにしていた。ご主人には『少しの時間なら番台手伝うよ』と言ったくらい。何とか復活の道はないかと願っている客は少なくないはず」と寂しがる。

 禮治さんは「常連さんが喜んでくれていたし続けたかったが、仕方がない。設備を活用してくれる人がいるなら提供したい」と話し“銭湯の灯”が何らかの形で継承されることを願っている。

 福井県公衆浴場業生活衛生同業組合によると、同組合に加盟する県内の銭湯は最盛期の1960年代前半に約170軒あったが、後継者不足や経営難により大きく減少。現在は福井、敦賀、大野、勝山、坂井市と永平寺町にある18軒のみとなっている。

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