出来事4:昇進・昇給は上司・社長の気持ち次第!
私の職場では社員・職員の人事評価に対して組織内で具体的な評価軸や基準をそもそも全く設けていませんでした。そして他社の話を聞いてみても、そのような企業が非常に多いように感じられました。ある知り合いの経営者は「どの社員の給料をどのくらい上げるかは俺がどう思うか次第」と言っていました。つまり社員は「何をどのように頑張ったら給料が上がるか?」ということがわからないまま働くことになるようです。優秀な人材の獲得競争が激しい東京では社員の頑張りを極力客観的に評価して、報いるようにしている企業が多かったです。

以上が福井に来て驚いたことですが、これを福井の人に話すと大体いつも「福井はそういうところなんや」と言われるので、きっと珍しいことではないのだと思います。(これを知って、「いつの時代の話? 今はそんなことないでしょ。ありえない」と驚いた福井の40代の女性会社員もいましたが)

私はこれらのエピソードから、福井には「暗黙の秩序」が東京より強く存在していると感じています。結果の「質」ではなく「秩序」を守っているわけです。「村社会」とも言われますが、秩序を守ることで集団が揉めずに脱落者が出ずに進めるようにするための一つの知恵なのでしょう。

大切なのはこの「暗黙の秩序を守る」ことと「暗黙の秩序を壊す」ことのバランスなのかと思います。近年、福井では若年人口が多く流出し深刻な人手不足(全国屈指の有効求人倍率)に陥り始め、それに呼応する流れで「地方創生」「移住」「若者」「女性活躍」などというテーマが声高に叫ばれています。このような一つの「時代の過渡期」を迎えている今だからこそ、暗黙の秩序を必要に応じて壊し、新しい秩序を構築し直す必要があるのではないかと。逆に、今後時代変化に応じた新たな秩序を作り守っていくことができれば、福井はきっと東京では得られない幸せな生き方ができるところとして繁栄していけるポテンシャルがあると、東京から来て福井の組織を経験した20代の私は感じています。(筆者:山岸 充)

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【ゆるパブコラム】福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。ゆるパブメンバーを中心に執筆中。

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